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岩田温の「稽古照今」

岩田温氏 映画「ゲッベルスと私」への違和感

久々に神保町を訪れた。

幾つかの古本屋をのぞき、かなりの本を購入したが、本の購入がこの日の目的ではなかった。

神保町に存在する岩波ホールである映画を鑑賞するのが本当の目的だった。

目当てにしていたのは「ゲッベルスと私」という映画だ。

ゲッベルスといえば、ナチスの宣伝相だ。プロパガンダ技術を駆使し、大衆を煽動した悪名高い人物といってよい。

このゲッベルスに実際に仕えた秘書の証言から成る映画が上映されていると耳にして、何とか鑑賞したいと思ったのだ。

ゲッベルスに仕えたのは、ブルンヒルデ・ポムゼルという女性で、証言をした際には103歳の高齢だった。

ナチス・ドイツの崩壊から既に半世紀以上の時が流れたことを考えると、ナチス政権の内部に存在した人物による証言は、恐らく今回が最後となるであろう。

期待に胸を膨らませて映画を鑑賞したのだが、どうも釈然としない、いや、何かもどかしい思いを払拭することが出来なかった。

ポムゼルの証言がつまらなかったのではない。彼女の証言自体は非常に興味深いものだった。

だが、この映画の構成そのものが、視聴者が貴重な証言に向き合うことへの妨げとなっている気がしてならなかった。

 

(平成30年7月4日)

 

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