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歴史戦

反日の「一帯一路」

「反日の一帯一路」―。

「慰安婦」、「徴用工」などの歴史問題で日本を貶めようとする勢力は、韓国、中国にとどまらず、欧米にも広がっている。

韓国の活動家らが騒ぎだし、韓国マスコミが大きく取り上げ、そして韓国政府が国内外に働きかけを始める。中国も国内だけでなく、カナダや米国などで火の手を上げるというパターンが繰り返されている。だが、いつも「出発点」となっているのは日本の学者や活動家そしてメディアだ。

彼らの活動の“成果”とも言えるのが、昨年10月30日の韓国最高裁判決だった。日本企業に朝鮮人戦時労働者に対して賠償するよう命じたが、最高裁が判決理由に挙げた日本の朝鮮半島統治不法論は日韓の学者や活動家らが長年主張してきたことだからだ。

西岡力麗澤大学客員教授は韓国最高裁判決を受け、昨年11月1日付産経新聞「正論」欄に、「韓国の対日『歴史戦』に対応せよ」とのタイトルで寄稿し、次のように強調した。

「このままでは22万人から1人1千万円、合計2兆2千億円の賠償を求められるかもしれない。わが国が10年以上、韓国政府の歴史戦に政府レベルで対応してこなかったつけだ。日本の立場からの徹底した調査研究と国際広報を行うため、わが国も公的な研究広報組織をつくるべきときが来ている」

 西岡氏やジャーナリストの櫻井よしこ氏は慰安婦や徴用工問題について、早くから警鐘を鳴らしてきた。産経新聞も長期連載「歴史戦」でこれらの問題を特集してきた。

韓国や中国では日本批判なら何でも許されるという「愛国無罪」が横行してきた。その象徴ともいえるのが、韓国海軍駆逐艦が昨年暮れ、石川県・能登半島沖で海上自衛隊のP1哨戒機に火器管制レーダーを照射した、常軌を逸した事件だった。今年も「反日」が盛り上がることはあって終息することはないだろう。

判決の後も、ソウルに出かけ、韓国との友好協力の強化へ努力することを共同声明としてまとめた超党派の日韓議員連盟(会長・元財務相、額賀福志郎)のような人たちもいる。

「一帯一路」は中国の習近平国家主席が進める広域経済圏構想だが、その最前線では中国の影響力、思想を広める文化機関である孔子学院が開設されている。中国は現在、米国との経済対立が激化しており対日融和路線に舵を切っているが、再び反日に戻る危険性は常にある。

 産経新聞や月刊「正論」で掲載した櫻井氏や西岡氏の論文、そして「歴史戦」を通して読むことで、日本を包囲する「反日ネットワーク」の浸透ぶりは鮮明になる。今後も苛烈になる「歴史戦」をどう勝ち抜くか考える一助になれば幸いだ。(月刊『正論』3月号増刊より)

 

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著者略歴

  1. 有元隆志

    ありもと・たかし 産経新聞社正論調査室長兼月刊「正論」発行人。1989年産経新聞社入社。政治部で首相官邸、自民党、外務省などを担当。2005年7月からワシントン特派員。13年10月政治部長、16年10月編集局総務、18年7月から現職

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