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艦橋から

金大中拉致から45年

 韓国の民主活動家・金大中氏(のちの大統領)が東京のホテルグランドパレスから拉致されて、この8月8日で45年になる。他国の首都に工作員を送り込んで白昼、要人を拉致するとは恐れ入る。さすがは泣く子も黙るKCIAだ。
 南北朝鮮の工作活動はまさに〝半端ない〟。思うところあって今、青木理著『北朝鮮に潜入せよ』(講談社現代新書)を読んでいるのだが、同書によれば北朝鮮に潜入して各種工作活動をするための「北派工作員」は韓国で《1951年から94年までの間に合計で1万3835人も養成され、このうち実に6割近い7987人が死亡か不明となったままだと記録されている》。裏を返せば北朝鮮に潜入して工作活動をした後に生還した人も一定数いるわけで、この本にはそうした人たちの証言が多数、収録されている。
 もちろん北朝鮮側の工作活動も負けてはおらず《北朝鮮からの南派工作員の総数は1950年ごろから99年末までの約50年の間に6446人が確認されているという》。こちらもまた、任務に成功して生還した工作員もいるという。
 警戒の厳しい38度線を2度、越えて(!)帰還した人間が現実に存在するのだ。今、自衛隊による拉致被害者の奪還は(技術的にも)不可能といわれるが、本当だろうか。そもそも日本へ来た拉致工作員はほぼ捕まることなく北へ帰っているのである。日本の海岸警備は手薄だが、逆もまた真なり、ではないのか。そんなことを頭に入れつつ、次号の原稿を考えている。ちなみに月刊『正論』も、今年で創刊45年だ。(編集者M)

青木理著『北朝鮮に潜入せよ』(講談社現代新書)

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