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「週刊正論」

朝日新聞が報じなかった萩生田自民党幹事長代行の議長交代発言詳報

自民党の萩生田光一幹事長代行が7月26日、ジャーナリストの櫻井よしこ氏が主宰するインターネット番組「言論テレビ」で、憲法改正論議を推進するため、大島理森衆院議長の交代論に言及したとして、朝日新聞は30日付朝刊で、政権幹部の話として「議長の人事に口を出すなど処分ものだ」と報じました。この幹部たちは、果たして番組を見たうえで発言しているのでしょうか。朝日新聞はやりとり(抜粋)しか報じませんでしたが、ここでは詳報をお伝えします。朝日が書いたように萩生田氏は大島氏に「不満をにじませた」のではないことがわかると思います。

番組の出演者は櫻井氏、萩生田氏、政治ジャーナリストで産経新聞前政治部長の石橋文登氏、月刊「正論の田北真樹子編集長の四人でした。(動画プレビュー版https://www.youtube.com/watch?v=u8r_yRC1eAo

◇力のある人が議長◇

石橋氏 今回の人事は珍しく、衆院議長人事が最も注目されるのではないかなと。 憲法審査会というのは国会の話ですからね、政府の話ではないでしょう。いま、大島さんもずい分長いですし、大島さんは本当に動かない人ですからね。やはり自民党がまとめて、他党も足並みを揃えて、国会の中で議論を進めていくというのは、かなり力のある議長でないと駄目かなと思っているのですよ。議長の適齢期になっているのは、額賀福志郎さんとか、野田毅さんとか、そういう人では駄目だろうと。
櫻井氏 そういう人が良いと言うのかと思ったら、駄目ね。
石橋氏 やはり、強力に与野党に対して力を持っている人が議長でないと駄目だろうと思ったら二階(俊博)さん。幹事長で、今回選挙で勝っているから代える理由はないけれども、議長の方が位が上ですからね。二階さんくらい力のある人が議長にならないと、国会の議論は進まないと思いますよ。
櫻井氏 二階さんは野党にもすごい力を持っている。
石橋氏 いろいろな意味で寝技の出来る人ですから。二階さんのような人を衆院議長ポストに就けるかというのが今回の自民党人事。二階さんがもし衆院議長になったら幹事長ポストは空くわけですしね。そうしたら全てがガタガタと狂ってきますのでね、議長人事から見ていかないと今回の党役員、それから閣僚人事というのは読めないのではないかなと。 
櫻井氏 二階さんは幹事長に留まりたいのではないのですか。
石橋氏 それはそうでしょうね。どちらが大事かと総理が考えるかではないですか。 
櫻井氏 議長の方がプロモーションになるわけですか? 
石橋氏 議長は三権の長ですからね。 議長はなかなか大鉈を振るわないだけで、ものすごい力を持っているのです。ベルを押すのも議長。
櫻井氏 そうね。本会議を開くかどうかも議長権限ですよね。
石橋氏 大変な力を持っている。国会で憲法論議を動かそうと思ったら、二階さんくらい力のある人。
櫻井氏 変なことを聞いてもいい? 自民党の幹事長というと、自民党の金庫を自由に使 える人というイメージがあるのですけれども、議長になったらどうなのですか。
石橋氏 衆院の予算を最後の判子を押すのは議長です。
櫻井氏 では、自民党よりも大きなお金を。
石橋氏 金額は知りませんけれども、大変な力を持った存在であるのは間違いないです。 櫻井氏 では、二階さんを衆院議長にしたとしたら、誰が幹事長になるのですか。
石橋氏 それこそ、菅(義偉)さんとかが有力になるのではないですか。 
櫻井氏 菅さんは今まで何年間も総理をしっかりと支えてきて、何の問題も起こさなかった人。やはりこれは肝心要なところですけれども。(中略)

◇有力な方を議長に置いて憲法改正シフト◇

石橋氏 二階さんというか、議長人事から見ていかないと、今回の人事は読めない。 総理の考え方だと思いますよ。
櫻井氏 総理が、議長に二階さんを昇進、お願いするとしたら、それは安倍さんが絶対に憲法改正をやり遂げるという意思だと解釈していいですか。 
石橋氏 そうではないですかね。やはり弱い議長では院は動かないですから
田北氏 そうでしょうね。それは同感です。
櫻井氏 萩生田さんは、人事のことはご本人ですから言いにくいでしょうけれども、いま の、野党にも睨みが効く、コントロールが効く実力者を議長にするとしたら、それはやはり総理の並々ならぬ憲法改正にかけた熱意だと思われますか。
萩生田氏 憲法改正をするのは総理ではなくて、まさしく国会なのですね。ですから石橋 さんの解説は極めて大切で、本来、国会議員がこの審査会を回していかなくてはいけない。では、最終責任者は誰かと言うと、これは(自民党)総裁でもなければ総理でもなくて、議長ですから、私はそういう意味では議長が、大島議長もそれは立派な方なのですけれども、どちらかというと調整型で、議長というのはどちらかというと野党にも気を使うべき立場なのですね、これはお互い様なのですけれども。故に、本当は気を使いながら審査はやって貰うように促すのも、また議長の仕事だと思うのですけれども、いまのメンバーの中ではなかなか動かないとすれば、有力な方を議長に置いて、憲法改正シフトを国会が行っていくというのは、極めて大事だと思いますね。

◇総理の秘密のスイッチ◇

石橋氏 普通は、衆院選の後に議長人事をやります。ただ、大島さんはもう4 年。
櫻井氏 衆院議長4年というのはかなり長い?
萩生田氏 長いですね。河野洋平さんも長かったけどね
櫻井氏 その衆院議長も含めて、党内の人事も含めて、いつ頃?
石橋氏 早ければ早い方がいいと思いますけど。解散カード云々の話にしても、例えば天皇陛下即位の礼云々は忖度しなくてはいけませんけれども、東京五輪なんて別になにも考えなくてもいいのではないかな。期間も短いですしね。衆院選の期間自体も短いし、だからいつやってもおかしくないですよと。
櫻井氏 人によっては、この11月頃に解散して総選挙をやると言う人もいますね。
石橋氏 やってもおかしくないとは思いますよ。
櫻井氏 天皇陛下の即位の礼、これが終わった後にね
石橋氏 五輪の前でも後でも。東京五輪なんかそんなに気にしなくてもいいのではないかと。総理もあまり気にしていないのではないかな、皇室行事は気にしますけれどもね。
櫻井氏 皇室行事はやはり、静かな中で。
石橋氏 だから、それは今後の秋の臨時国会以降での憲法審査会の動き方次第で、野党がものすごく抵抗して、にっちもさっちも動かないような状態だったら、総理の秘密のスイッチがパチッと入って、解散してもおかしくないですよね、萩生田さん。
萩生田氏 任期満了まで行くと、次の総裁選と衆議院の任期がもう1カ月以内に挟まって しまうので、それを変えるのだとすれば、その任期満了前に辞任をするか、解散をして、 衆議院任期を延ばしておくか、どちらかしかないので。いろいろな意味で今回衆参ダブルをやらなかったということは、やはりそのカードを残して、そしてもう1 度国民の皆さんに大切なことを聞く機会があれば、そこは躊躇無く、私はやると思いますよね。
石橋氏 今まで安倍総理は、最初、モゴモゴ言っているのだけれども、スイッチが入ったら、もう誰も止められないように解散モードに入ってしまうのです。今までも、えっという感じでしたものね。えっ、いまやるのと。
田北氏 では総理が、もうこれが最後の国政選挙になると言って、確かトランプ米大統領に も伝えているけれども、それは信用しない方がいい? 
萩生田氏 解散権は、今更ですけれども、総理の専権事項ですから、ここで話をするのも。 石橋氏 今日、森喜朗さん(元首相)にも衆院選は考えていないと言ったらしいですけれども、解散については嘘をついていいのですから、あまり気にしなくていいと思います。

◇思い切った人事をやりたい◇

櫻井氏 そうすると、党も含めての人事が間もなくあるかもしれない、あった方がいいと。
石橋氏 僕は早ければ早いほうがいいと思います。
櫻井氏 そして私たちが考える新しい議長、新しい官房長官、新しい幹事長が生まれると いうことで、萩生田さんもその中に、当然非常に有力な候補として、期待しています。衆院解散もあり得ると。
萩生田氏 そうですね。
櫻井氏 ここでもう決めたような感じで。
萩生田氏 私は総理が思い切って政策を前に進める陣立てで、前回はどちらかというと総裁選の直後だったので、メディアの皆さんが書かれた通り、やや派閥均衡というか、いろいろと配慮をした人事であったのは否めないと思うのです。それなりにきちんとエキスパートを配置したと思いますけれども、一般の人からするとなかなか、えっ、何でこの人なのですかと分かりづらいところもあったと思うのです。もう総裁任期の残りは2年ちょっとですから、あと何回改造ができるか分かりませんけれども、多分、自分の描いている政治家、総理安倍晋三としてのラストスパートに向けて、いろいろと思い切った人事をやりたいという思いはあるのだと思いますね。 

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著者略歴

  1. 有元隆志

    ありもと・たかし 産経新聞社正論調査室長兼月刊「正論」発行人。1989年産経新聞社入社。政治部で首相官邸、自民党、外務省などを担当。2005年7月からワシントン特派員。13年10月政治部長、16年10月編集局総務、18年7月から現職

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