THE 正論,  the seiron, THE SEIRON, THE正論

日本を正す!

MENU

艦橋から

戦車が突っ込んだ旅館

『ガルパンの秘密 美少女戦車アニメのファンはなぜ大洗に集うのか』(廣済堂出版)の書評を書いたときは、先輩編集者が「こんなものを格式ある『正論』に載せられるか」と拒絶反応を示した。ボツを覚悟したが、小島新一・前編集長の「おもろいやないか」という英断で、2014年5月号に無事掲載された経緯があり、印象に残っている書評記事だ。
 ガールズ&パンツァー(ガルパン)は書評に書いた通り《剣道、弓道などと並ぶ武道「戦車道」がある世界で、女子高生が戦車に乗って試合をするテレビアニメ》で、これが《想定外の好評を博し舞台となった茨城県大洗町にはファンが押し寄せ、東日本大震災の風評被害を一撃で吹き飛ばした》のだ。
 アニメの中には先の大戦で活躍した各国の戦車が登場し、大洗町内で戦車戦が行われ、作中で戦車が突っ込んで破壊された旅館にはたちまち予約が殺到するなど、町は〝聖地巡礼〟に訪れるファンで大賑わい。作中で女子高生が軍歌「雪の進軍」を歌う場面もあり《ついには中国の軍事紙が「美少女を隠れみのとした軍国主義の悪意がしくまれている」と批判する事態に》。私としては《果たして日本人の軍事アレルギーも吹き飛ばすことができるのか、興味は尽きない》思いだった。
 なおパンツァーとはドイツ語で戦車のことで、昭和50年創刊の『月刊PANZER』という戦車雑誌も存在する。その編集部へ取材に行ったことがあるが、アニメの波及効果はほとんどなかったとか。私としては『月刊住職』とともに好きな雑誌だけに、健闘を期待したい。(編集者M)

アニメ作中で戦車が左に曲がり切れずに突っ込んだ旅館(写真はいずれも平成26年7月撮影)

タグ

バックナンバー

閉じる