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井上和彦の「ニッポン再発見」

井上和彦氏 「令和元年の終戦記念日」

「井上さん、私のフィアンセのおじいさんが大事にしていた日本兵の遺品を日本に返したいと言っているんですが、何か良い方法
はないですか?」

友人の堀内医師から連絡があった。
彼女の婚約者は米海軍大尉マイケル・アンダーソン氏、その祖父は元米陸軍の2等軍曹ウィリアム・ルイス・ウッダード氏。ウッダード軍曹が宝物のように大切にしていたのは日本兵が持っていた腕時計タイプのコンパス(方位磁針)だった。

そのコンパスのバンドには、陸軍の階級章に付けられていた星の徽章と、海軍の桜の徽章が付けられていた。恐らくこれは、持ち主の日本兵が、亡くなった戦友の階級章の一部を形見として自分のコンパスのバンドに付けていたのではないかと思われる。

祖父のウッダード軍曹は、1944年から終戦後の46年までフィリピンのマニラ地区で車両部隊に所属していた。終戦後、パトロール中に、痩せ細った1人の日本兵に遭遇した。彼は、部隊からはぐれて孤立してしまっていたようだった。

すでに戦争は終わっている。ウッダード軍曹は、この日本兵を保護しようと投降を呼びかけた。だがその日本兵はこの呼びかけに応じず、目の前で堂々と自決の道を選んだのである。

ウッダード軍曹は強い衝撃を受けた。この日本兵の気高さ、自己犠牲の精神、そして祖国に対する忠誠心を目の当たりにし、心からの敬意を抱いたのだった。

ウッダード軍曹は、同僚と共にその日本兵を軍葬の儀式にのっとって丁重に埋葬した。そしてそのとき、日本兵が腕に巻いていたコンパスを、〃戦利品〃としてではなく、この日本兵が極限の状態で見せた高潔な精神の尊い証として大切に遺そうと考え持ち帰った。

同じ軍人としてその崇高な死への畏敬の念を持ち続けたウッダード軍曹は、やはり軍人の道を歩んだ孫のマイケル・アンダーソン大尉に、日本人の勇敢さ、そして自らの任務と母国に対するその献身ぶりについて語り続けた。

アンダーソン大尉によると、生前の祖父ウッダード氏は、日本兵と日本の指導者、そして日本国民に対して最大の敬意を払って称賛していたといい、なにより軍人として崇高な死を遂げた日本兵の形見として持ち帰ったコンパスを宝物のように大切にしていたという。

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