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【靖国神社で交わされたウクライナ人国際政治学者と東京新聞記者との会話】

 月刊「正論」8月号で「ウクライナ人から日本人への警鐘 私たち『平和ボケ』でした」と題する鼎談を行った国際政治学者グレンコ・アンドリーさん(31)は8月15日、東京・九段北の靖国神社を参拝しました。その時、境内で東京新聞記者の取材を受けた模様を、自身のフェイスブックに書いています。以下が全文です。

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先日の8月15日に、私は靖国神社に参拝した時に、東京新聞(よりにもよって)の記者がやって来て、いくつかの質問をしました。私は拒否せずに答えることにしました。最初は英語で話しかけられたが、日本語が話せるのを見て、日本語に変わりました。最初はどこの出身かとか、日本が長いのかとか、日本で何をしているのか、日本に興味を持ったきっかけなど、当たり障りのない質問から始まりました。その後、段々何故今日ここにいるのかとか、本題に近づきました。

私は、英霊に敬意を表す為に来たと答えたら、今度は「日本の政治家が来ると問題になることがある」という質問が来て、それに対して私は「国家のために戦った方々を祭るのは当たり前のことだから批判する勢力があっても構うべきではない」と答えました。

その次は、流石左翼新聞というべきか、「戦争に強制的に行かされた人もいて、遺族はここに祭られるのを嫌がるという人もいますが、それについてはどう思いますか」とずるい質問が来ました。少し困りました。確かに、日本兵は全員自分の意思で戦場に行った訳ではありません。なので、私は少し考えて、こう答えました。

「戦争という、国家存亡がかかっている究極な状態では、平時のように人を自由にさせる余裕がない。それは日本に限った話ではなく、当時の参戦国は皆、国民を戦争に動員していたので、日本が異常なことをしていた訳ではない。従って動員された方々と自分の意思で行った方々を同様に祭るべきだ」と。
名前も教えたので、是非実名で回答を新聞に載せて欲しいところですが、載せないでしょうね…

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実際には、16日付東京新聞をみると、「こちら特報部 創立150年 8・15靖国ルポ」の中に、「靖国参拝は30回以上」というアンドリ―さんのコメントが以下のように掲載されています。

「私がここに来るのは日本に対する尊敬の表れ。同胞のために犠牲になった人たちに敬いたい」
もちろん、アンドリーさんがフェイスブックに書いたようなやりとりは載っていませんでした。

「正論」での鼎談で、アンドリーさんはクリミア半島がロシアに併合されたウクライナについて「思考的に日本の左翼と同じで、どの国に対しても脅威でなければ争いに巻き込まれないと当時、ウクライナの国会議員たちは考えていましたし、国民の大多数もそういう意識だったと思います」と述べています。そのうえで、ウクライナの経験から日本に対し次のようなアドバイスをしています。

「日本国憲法前文には『平和を愛する諸国民』とありますが、日本の周囲を見渡すと平和を愛する諸国民が絶妙にそろっているといえます(一同笑)。前文からして全面的に変える必要がありますし、今の九条など論外で、せめて九条二項は削除する必要があります。それが前提で、政府はどうすればよいかというと、形(憲法)と中身(軍事力)の双方が大事で、憲法という形を変えただけでは中身は変わりません」

グレンコ・アンドリーさんは1987年、ウクライナの首都キエフ生まれ。キエフ国立大学日本語専攻卒業。京都大学大学院人間・環境学研究科博士後期課程指導認定退学。著書に『プーチン幻想』(PHP新書)、『ウクライナ人だから気づいた日本の危機』(育鵬社)があります。

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著者略歴

  1. 有元隆志

    ありもと・たかし 産経新聞社正論調査室長兼月刊「正論」発行人。1989年産経新聞社入社。政治部で首相官邸、自民党、外務省などを担当。2005年7月からワシントン特派員。13年10月政治部長、16年10月編集局総務、18年7月から現職

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