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半井小絵の「ニッポン予報」

半井小絵氏「雲の墓標に想う」

今年も巡ってきた8月15日。靖国神社に参拝するのは4年連続となります。実は、3年前から靖国神社境内で開催している「靖国の心を未来へ!-感謝の心をつなぐ青年フォーラム」の司会を担当させていただいています。フォーラムは40代以下の若い世代が、祖国のために尊い命を捧げ平和の礎となられた戦没者に追悼と感謝を捧げ、世界の平和に寄与する誓いを発信することを目的に毎年、開催されています。その「心」をまさに踏みにじった、イベントがあります。愛知県で開催されている国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」の企画展「表現の不自由展・その後」です。

昭和天皇の御真影が燃やされ、踏み付けられる映像が作品として会場で流されていただけではありません。かまくらのようなドームの上に特攻隊の寄せ書きとみられる旗を置いた、中垣克久氏の「時代(とき)の肖像―絶滅危惧種 idiot JAPONICA円墳―」も展示されていました。つまり、特攻隊の方々を「idiot(間抜け、馬鹿)な日本人の墓」としており、私はこの作品の写真を見た時、マグマのような憤りを抑えることができませんでした。同時に、建国記念日の2月11日、講演のために訪れた高知市で出会った元隊員の方のお顔が浮かびました。

高知での講演は、私の目線から感じる日本の問題点と素晴らしさについてでした。その講演が終わると、「ありがとう!」と声をかけてこられた方が、鹿児島県の海軍航空隊出水基地に所属されていた大久保覚(さとる)さん(93)、その人です。大久保さんはゼロ戦の整備兵でした。 

大久保さんは、「自衛隊基地を訪れた際、命を懸けて日本を守ることの尊さと大変さを感じた」という私の講演について感謝の言葉をかけてくださった後、ご自身の体験を話されました。

 「私が整備した飛行機で明日、出撃する17歳から18歳くらいの少年飛行兵が、人前では勇ましい言葉を言っていたが、その夜、格納庫の裏で泣いているのを目撃しました。出撃したら絶対に帰ってこられないということがわかっていたからです。私は飛行兵より2歳から3歳年上であったのでかわいそうだと思いました。講演で、航空自衛隊の戦闘機のスクランブルの話を聞いて、今の自衛隊パイロットの方々の任務の大変さも実感しました。(彼らも)本当は怖いのだと思いますよ」

 鹿児島の特攻の基地としては知覧や万世が知られていますが、出水基地にかかわる戦没者は638名、うち特攻で散った方は約200余名に及びます。

 出水市平和町の特攻碑公園にある「雲の墓標」と名付けられた石碑の前で、この石碑が建設された4月16日に毎年、特攻慰霊祭が営まれています。大久保さんも高知からこの式と前日の交流会に参加してこられましたが年々、元隊員の出席者は少なくなり、今や大久保さんも含め数人になっているそうです。特攻隊の方々は、家族を守り、日本を守るには自分達がやるしかないと思って戦ってくださったのです。戦争を知っておられる方が少なくなってきている中、貴重な話をお聞きすることができました。

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