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【昭和天皇御真影焼却には頬被り 津田大介氏の「なんだかなあ」会見】

 愛知県で開催中の国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」の企画展「表現の不自由展・その後」が中止になった問題で、芸術監督を務めるジャーナリストの津田大介氏が2日、東京都千代田区の日本外国特派員協会で記者会見しました。津田氏は中止を判断した理由として、「円滑・安全な運営担保ができなかった」などと改めて説明しましたが、物議を醸した昭和天皇の御真影を燃やすような映像といった展示内容や表現の自由の公平性など、肝心の企画展の中身には言及しませんでした。


この日の会見に、トレードマークの金髪に黒色のセーターを着て登壇した津田氏は、混乱を招いた現状に謝罪の一言も、悪びれる様子すらなく、淡々と中止に至った経過や背景を説明しました。会見には英語の通訳入りで、約1時間のうち冒頭30分は津田氏の発言で、受け付けた質問は2問のみでした。

津田氏は展示中止の理由として挙げたテロを予告する脅迫などについて、警察や弁護士と打ち合わせを行ったほか、抗議を想定した対応マニュアルを用意したりしたことを明かし、「事前に準備をしていなかったわけではなく、予想外のことが起きた」と釈明を重ねました。

その「予想外」の出来事として挙げたのが次の3つの事案でした。
 ①安全保障上の輸出管理で優遇措置を取る「ホワイト国(優遇対象国)」から韓国を除外する8月2日の閣議決定により、日韓関係が急速に悪化したこと
 ②複数の政治家から展示内容に「介入」する発言があったこと
 ③開幕約2週間前に京都アニメーション放火事件が起きたこと

 津田氏が最も強調した③については、「事件に触れながら抗議電話やファクスがあり、リアリティーが大きく、職員の精神を追い詰めてしまったところもある」と説明していました。確かに、この事件を予想するのは困難で、その影響がなかったとは言い切れないかもしれません。それにしても、展示では昭和天皇の御真影に火を付けているのです。日本人の精神を追い詰めることには、考えが及ばなかったようです。


「ホワイト国」からの除外については以前から、いわゆる徴用工問題をめぐる韓国政府の不誠実な対応や、韓国海軍軍艦による海自哨戒機へのレーダー照射もあって、日韓関係は十分に悪化していました。昨今のネット事情に詳しいはずの津田氏が反発を予想できなかったとは、うかつだったのではないでしょうか。

政治家による「介入」についても、展示された慰安婦問題の象徴である「平和の少女像」や、昭和天皇の御真影を燃やすような映像が政治的なメッセージ性を持っていることは明らかで、これに対して政治家が何らかの反応をすることも想像に難くないでしょう。しかも、公費が使われている芸術祭で、主催自治体の愛知県知事や名古屋市長が発言するのは当然といえ、「菅義偉官房長官が文化庁の補助金について言及するのに正直驚いた」との説明には、公費を使って運営することに対する感覚を疑わざるを得ません。


津田氏は、展示内容など物議を醸している問題に関しては言及を避ける代りに、「予想外」として挙げた3つの事例のように、論点を国際問題や政治問題、放火事件などにすり替えていました。その責任回避ぶりはとても責任者であるはずの「芸術監督」とは思えません。


企画展の再開については、「3日で終わったという結果には全く納得していない。その意味で、きちんとハードルをクリアして会期中の再開を目指したいとは思ってはいるが、今、明言はできない」と言葉を濁していました。愛知県が設置した検証委員会が調査中であることを理由としていましたが、芸術監督なのですから、批判を呼んだ展示物の「芸術性」についての発言ぐらい、自身の責任でするべきでしょう。

質問もフリーランスと津田氏がオピニオン面でコラムを持つ“お仲間”の朝日新聞記者の「再開のためには何が必要か」などの2問だけ。中途半端で、すっきりしない記者会見でした。


表現の不自由展については、現在発売中の月刊「正論」10月号で詳しく考察
しています。表現の自由を妨害しているのは、いったい誰なのでしょうか。折
しも「週刊ポスト」の特集「韓国なんて要らない」が物議を醸していますが、返す刀で「マスコミなんて要らない」と言われないよう、われわれも自戒せねばと考えているところです。(楠城泰介)

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