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三浦小太郎の「右であれ左であれ我が祖国」

三浦小太郎 「忘れられた脱北者問題」

■ある若い脱北者との対話

先日、東京で19歳の脱北者(男性)と、彼の両親(もちろん同じ脱北者)と食事をした。この若者は、数カ月前、東南アジアの某国から日本に受け入れられ、今は両親と共に暮らしながら、夜間中学校で日本語を学んでいる。

「私の住んでいた町では、貧富の格差がすごいです。中国との貿易や商売ができる人は金持ちになっている。でも、それができない多くの人はすごく貧しい。私は体も悪く(この若者は、幼い時期事故にあい、片腕に障害がある)ここでは生きていけないと判断し、日本にいるお父さんの助けで脱北しました」(若者)

そこで、私が、「北朝鮮でもあなたの住んでいたような港町では、外部の情報も多少は入りませんでしたか」と聞くと、彼はこう答えた。

「韓国ドラマとかは、もちろん禁じられているけど沢山入ってきていて、見ている人はいました。北朝鮮の人も多少なりとも外国のことを知る人は増えている。でも、だからと言って、(北の)体制がいいほうに変わるとか、倒れるとか、そういう兆しはありません。私たちは生きること、家族を守ることに精一杯。それはお金持ちも貧しい人も同じ。いつ捕まるかわからない恐ろしい国で、政治を変えようなんてことは考えられないです」

若者の両親は、トランプ米大統領の金正恩に対する姿勢にも、現在の韓国の政治にも批判的だ。韓国に対してははっきりと「(日本政府は)もう相手にしなくていいんじゃないですか」とまで言い切った。「文在寅(大統領)は絶対、北の指示を受けてやっている。日本との対立をあおるのも、要するに北の方針に従っているだけ」。そして「私たちは本当に日本に来られてよかった。韓国にいる脱北者たちは、このままどうなるのかと不安なはずですよ」と語っていた。

実際、脱北者が現在の韓国の外交姿勢をどう考えているかは、ほとんど日本で報じられていない。脱北者の手記は多く日本でも発表されているし、また、北朝鮮の人権問題や民主化に対し様々な発言をしてきた脱北者たちもいる。しかし、彼らの文在寅政権への意見を、報道機関はもう少し注目し、日本や世界に向けて報ずるべきではないか。ある意味、文在寅政権の本質を敏感に感じ取っているのは彼ら脱北者かもしれないのだ。

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