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「週刊正論」

靖国神社参拝は歴史に対する無知か

日本で開催されているラグビーワールドカップ(W杯)は大いに盛り上がっていますが、「もう一つのラグビーW杯」の決勝が23日午後、千葉県の陸上自衛隊習志野演習場で行われました。この大会の名称は「国際防衛ラグビー競技会(IDRC=International Defense Rugby Competition)」です。2011年からW杯にあわせて開催されており今回で3回目。日本開催は初めてで、10カ国が参加しました。当初は同じ千葉の柏の葉スタジアムで行う予定でしたが、強風でポールが折れてしまい、急きょ会場が変更になりました。

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 決勝に進出したのは英国軍とフィジー共和国軍でした。第1回大会は英国、第2回大会はフィジーが優勝しており、優勝候補同士の対決となりました。試合は強風のなか、フィジーが持ち前の身体能力の高さをいかんなく発揮し、31対17で勝利し、連覇を果たしました。

 

試合とは別に、英国軍チームをめぐっては、英紙の報道が物議をかもしました。英国軍チームが靖国神社を参拝したことについて、英紙タイムズは先の大戦で日本と戦った英国内では「A級戦犯が合祀(ごうし)される神社を参拝した」との批判があり、ポール・マデン駐日英国大使が注意したと報じたのです。

 在日英国大使館の報道官はこの報道について「大使はいかなる人に対しても日本の神社を訪れないよう指示したことはない」との談話を発表しました。一方で「英国政府は靖国神社を訪問することの敏感さについては十分に理解する」とも付け加えました。

タイムズの報道を受け、韓国紙・中央日報(日本語版)は「英国軍ラグビーチーム靖国神社で記念写真 駐日英国大使が叱責」とすぐに報じました。同紙は「笑顔で記念写真を撮影し、これをラグビーチームのツイッターに投稿するなど、歴史に対する無知が露呈する姿を見せた」と批判しました。

自民党の山田宏参院議員は自身のフェイスブックで、英国軍チームの参拝を称賛したうえで、各国チームに神社を参拝するよう求める手紙を送りました。山田氏は米戦略家エドワード・ルトワック氏の言葉を引用しました。韓国紙の予想通りの騒ぎぶりも、この一文を読むとよくわかります。

 「死力を尽くして戦った者同士は、戦後案外友情で結ばれることが多い。日米然り、米越然り。だが大した抵抗もせず負けると、相手を永遠に恨む」

写真は試合後、記念写真に収まる両軍チームです。激しくぶつかりあった両軍でしたが、まさにノーサイドです。

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著者略歴

  1. 有元隆志

    ありもと・たかし 産経新聞社正論調査室長兼月刊「正論」発行人。1989年産経新聞社入社。政治部で首相官邸、自民党、外務省などを担当。2005年7月からワシントン特派員。13年10月政治部長、16年10月編集局総務、18年7月から現職

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