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艦橋から

【艦橋から・特別版】日本に八ツ場ダムがあってよかった

 

このたびの台風19号でお亡くなりになられた方々のご冥福をお祈りするとともに、被害に遭われました皆様に、心よりお見舞い申し上げます。

「狩野川台風並み」ともいわれた台風19号は、千曲川や多摩川を氾濫させるなど各地に大きな爪痕を残した。台風一過の群馬県嬬恋村を訪れてみると、村特産のキャベツが畑から流出し道路に散乱。村の人たちが片付けに追われていた。

嬬恋村では国道にキャベツも流出し、関係者が片付けに追われていた。

嬬恋村に草津町、長野原町と群馬県西部・吾妻川上流域の町村には軒並み大雨特別警報が出て、台風が通過した12日、嬬恋村の24時間雨量は400ミリに達した。

これほどの雨が上流部で降ったとなると、下流での氾濫も心配になってくる。しかし、旧民主党政権が10年前に「建設中止」をブチ上げて一躍、全国にその名を知られた八ツ場(やんば)ダムが、上流域からの濁流をすべて食い止めたのだった。

9月8日、上流側から撮影した八ツ場ダム。旧JR吾妻線の鉄橋が 小さく見える

 9月8日、上流側から撮影した八ツ場ダム。旧JR吾妻線の鉄橋が小さく見える

 

完成を前にして10月1日に「試験湛水」を始めたばかりの八ツ場ダムでは、台風上陸に先立つ11日段階ではまだ、旧JR吾妻線の鉄橋が見えるほど〝空っぽ〟状態だった。それが台風で、ダムの水位は一気に50メートル以上も上昇。台風が過ぎ去ると、ダムは一夜にして満々と茶色い水をたたえていた。

台風通過から一夜明けた10月13日の八ツ場ダム

 台風通過から一夜明けた10月13日の八ツ場ダム

 

結果として吾妻川下流域は全く無事で、さらに下流の利根川本流でも大きな被害は確認されなかった。昭和22年のカスリーン台風の反省から首都圏を守るべく計画された八ツ場ダムは、完成を前にして立派に役目を果たしたのだった。

ただ今回は、試験湛水中でダムがほぼカラだったことが幸いした。来年以降は通常、ダムに水が貯まった状態で、水位の余裕は30メートルくらいしかなくなるはず。来年以降の豪雨で、ダムの真価が問われることになる。(編集者M)

 

◇八ツ場ダム◇
昭和27年に調査を開始した。当初、住民は反対したが、高台の代替地に集団移転する生活再建案を受け入れ、平成6年に周辺工事が始まった。民主党政権が21年に建設中止を表明し、本体工事の入札を凍結したが、その後の自民・公明政権で入札が行われ、27年1月に着工した。

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