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「正論」シネマサロン~日本と台湾はなぜ強い絆で結ばれているのか

第11回「正論」シネマサロン(主催=産経新聞社・月刊「正論」、協賛=積水ハウス)は10月26日に東京・港区虎ノ門のニッショーホールで、戦前の台湾で生まれた「湾生(わんせい)」と呼ばれる約20万人の日本人に焦点を当てたドキュメンタリー映画「湾生回家(わんせいかいか)」を上映します。

湾生は日本統治下の台湾で生まれ育ち、終戦後に台湾から日本に引き揚げますが、“故郷”に熱い想いを持ち続けます。自身のルーツを求め、あるいは幼馴染の消息をたずねて台湾を訪れる湾生たち。彼らの失われたアイデンティティが少しずつ埋められていく心の動きを描いています。顧みられることの少ない日台の歴史にスポットを当てた、貴重なドキュメンタリーです。

台湾人監督の黄銘正氏は平成28年11月に日本で公開された際、「以前から台湾と日本の関係に興味がありました。彼らが台湾で過ごした日々に抱いている強い思いを知り、心を打たれました。この作品が、日本人と台湾人が、ともに未来を作っていくきっかけになれば」と話していました。

上映後には、初の日本・台湾同時発売のノンフィクション『汝、ふたつの故国に殉ず』を記すなど、台湾にも精通している作家、ジャーナリストの門田隆将氏の講演会も開催します。産経新聞(平成29年1月9日付)に掲載された同書の書評を再掲します。
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日本と台湾はなぜ強い絆で結ばれているのか…。ノンフィクション作家の門田隆将さんが双方にルーツを持つ男の生涯を追いながら、このテーマに斬り込んだ。日台で出版された『汝、ふたつの故国に殉ず』。日本統治時代、国民党政権下で起きた二・二八事件、苦難の時代と正面から闘った「正義と勇気の人」。不屈の精神と祖国への真摯な愛に心を揺さぶられる。

湯徳章(とう・とくしょう、日本名・坂井徳章)は、日本統治時代の明治40(1907)年、日本人の父と台湾人の母との間に台湾南部の台南で生まれた。熊本出身の父・坂井徳蔵は新天地を求めて台湾へ渡り、警察官になる。だが、徳章が8歳のとき、徳蔵は地元の暴徒が警察を襲撃した西来庵(せいらいあん)事件によって命を落としてしまう。このとき徳蔵は死を覚悟して暴徒と対峙し、徳章ら家族だけを逃した。

日本統治時代の初期のころ、反発する台湾人に襲われ、日本人が殺される事件も少なくなかった。本書で触れられている「芝山巌(しざんがん)事件」は明治29年正月、台湾に近代教育を根付かせるために日本から渡ってきた6人の教師らが暴徒によって惨殺された事件だ。教育に使命感を持ち、毅然とした態度で逃げることもなく、抵抗することもなく死んでいった教師らの姿は台湾人に衝撃を与える。

「(台湾人の日本人観の)原点になった事件でしょう。なぜ今も『好きな国』で日本が断トツなのか。確かに日本統治は厳しかったが、毅然とし、勤勉で不正をしない…その姿が心に残っているからです。日本の若い人たちにもそのことを知ってほしい」

幼い徳章の胸にも、従容として死んでいった父親の姿が刻み込まれた。成人した徳章は警察官を経て、中央大学の聴講生となり、超難関の高等文官試験(行政・司法)に合格。台湾人の人権を守るため、弁護士として故郷の台南へ戻る。だが終戦後、台湾に乗り込んできた国民党側による白色テロの標的とされてしまう。徳章のように無実の罪をかぶせられ犠牲になったのは数万人に上るとされる。

銃殺にされるとき、徳章は台湾語と日本語で2つのルーツへ向けた言葉を叫ぶ。「“日本人”として私がすべての罪をかぶって死んでゆく。そして、台湾人には『決して負けてはいけない』と。まさに正義と勇気の人でした。それから約50年後、真の台湾人政権が誕生した。徳章の思いは現在とつながったのです」
(喜多由浩)

【プロフィル】門田隆将(かどた・りゅうしょう)
昭和33年、高知県出身。中央大法卒。主な著書に『この命、義に捧ぐ 台湾を救った陸軍中将根本博の奇跡』『死の淵を見た男 吉田昌郎と福島第一原発』『新聞という病』
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「正論」シネマサロンのご案内
日時=10月26日(土)午前11時半開場、午後0時半開演
場所=ニッショーホール(港区虎ノ門2の9の16)
入場料=前売り2000円、当日2500円
申し込み=ネットで「産経iD」と検索し、申し込みページに情報を入力。または「シネマサロン参加希望」と明記の上、郵便番号、住所、氏名、ふりがな、電話番号、参加人数を記入し、はがきは
郵便番号100―8077(住所不要)産経新聞社正論調査室シネマサロン係
メールはseironevent@sankei.co.jp
ファクスは03・3241・4281へ。
問い合わせ=03・3275・8923

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