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江崎道朗の「複眼思考」

スパイ工作、国際共産主義とインテリジェンス機関

■国家安全保障局(NSS)局長に就任した北村滋氏が書いた注目の論文

米中対立、北朝鮮のミサイル・拉致問題、そして韓国の文在寅政権の離米親中政策と、日本を取り巻く国際環境は厳しさを増すばかりだ。厄介なことに、北朝鮮、韓国、中国、ロシア、そしてアメリカ、中東、ヨーロッパ情勢は連動しており、周到な情報収集と分析に基づく国家のかじ取りが必要とされている

こうした激動する国際情勢への対応を外務省だけに任せるのではなく、防衛省、経産省、財務省など文字通り省庁を挙げて取り組むために安倍政権は第二次政権樹立直後に、官邸に国家安全保障会議(日本版NSC)と国家安全保障局(NSS)を創設し、省庁の垣根を超えた情報分析体制を構築した。安倍政権による地球儀外交、インド太平洋戦略、宇宙部隊創設などは、この国家安全保障会議・国家安全保障局主導で推進されている。

この国家安全保障局の局長に昨年9月、警察・外事畑を歩んできた内閣情報官の北村滋氏が就任した。この人事によってインテリジェンス機関の拡充が進む可能性があるのではないかと、私はひそかに期待している。というのも北村氏は平成26年発行の『講座 警察法』第3巻(立花書房)に「外事警察史素描」という論文において、外国のスパイ活動を取り締まる「外事警察」の歴史について論じているからだ。

北村氏の論文によれば、外事警察らしきものが創設されたのは、明治開国によって外国人が多数、日本に居住するようになったからだ。

《明治二年三月、政府は、当初、外国人の警衛を軍務官の管轄としたが、翌年これを内務省所管とした。八年一二月、東京警視庁に、「新ニ第三局及第五局ヲ置キ第三局ハ探索及ヒ罪犯取調外国人関係ノ事ヲ掌ラシメ」、第三局に外国人掛が置かれた。翌年三月、外事警察の勤務指針ともいうべき「外国人取扱心得」が制定され、同年一二月、外国人掛は外国掛と改称され、程なく外務課に組織改正された。》(以下、《 》内は、北村氏の論文を引用)

当初は、日本に居住する外国人の保護と犯罪捜査が目的であったが、大日本帝国憲法の制定、帝国議会の開設、日清戦争の勝利と治外法権の撤廃と国家体制の整備に伴い、明治32年に外国人のスパイ活動を取り締まる法律もようやく整備され、外事警察が創設される。

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