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艦橋から

翔んで中国

 日本共産党を卒業された筆坂秀世先生(埼玉在住)も絶賛する映画「翔んで埼玉」は、観客動員数が軽く100万人を突破した。東京と埼玉の境には関所があり、東京へ行くには入手困難な通行手形が必要…といった荒唐無稽な展開だが、この映画を観た中国人は笑ってばかりもいられまい。何しろ中国では都市戸籍と農村戸籍による差別が厳然としてあるのだ。
 楊海英先生の近著『独裁の中国現代史』(文春新書)によれば《かつて農村から都市への移住は厳しく制限されており、農民は自給自足を原則として、社会保障制度からも外されていました》《病気を患って手術を受けることになっても、たとえば北京市民は五千円で済み、北京の戸籍を持っていなければ十万円を要求される》といった具合。同じく中国出身の石平先生にも聞いてみたが「戸籍による差別は今でもあります。都市戸籍と農村戸籍の男女が結婚しようとしても、まずうまくいかないでしょう」とのこと。
 同じ漢民族でもこれだけの差別があるのだから、少数民族に対する差別は推して知るべし。その結果、60年前の春にはいわゆる「チベット動乱」が起き、ダライ・ラマ14世がインドに脱出して亡命政権を樹立するに至っている。
 かつて高倉健さん演じる主人公が冤罪を晴らすべく奮闘する映画「君よ憤怒の河を渉れ」は、文化大革命の不条理を経験した中国人の共感を集めて大ヒットした。「翔んで埼玉」も、仮に中国で上映されたら凄い反響がありそうだ(暴動発生とか)。まあ中国では間違いなく上映禁止でしょうけれど。(編集者M)

 埼玉県内の書店では原作マンガが「これでもか!」と平積みに
 

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