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山田吉彦の「海流真相」

エスカレートする中国の海洋侵略

中国の海洋侵略は、あらたな段階に入った。香港において中国政府による国家安全法が導入される。一国二制度が崩壊し、中国の一部として組み入れられる。これは、アジアにおける海洋支配と連動した動きだ。

かつての香港港は、シンガポールと並び世界1、2を争うコンテナターミナルであった。1997年の英国から返還以降、上海、寧波など中国本土の港にハブ港としての機能が移り始めた。それでも、香港は世界7位のコンテナ取扱量を持つ、南シナ海に面した最重要港であることは変わらない。香港の自由化の後退は、この港を中国政府が完全に掌握することにつながる。香港が中国の完全影響下に入ることにより、南シナ海の海上交通の基点がほぼ中国の港となるため、米国の行なっている航行の自由作戦の大義名分が薄らいでしまうのだ。

南シナ海では人工島の建設が進み、スプラトリー諸島を南沙区、パラセル諸島を西沙区として行政区に組み入れ、実効支配も最終段階に入った。さらに、東シナ海での動きも活発だ。 6月6日付け産経新聞朝刊によると、中国海警局の警備船が53日間連続して、尖閣諸島周辺海域に侵入している。常時、尖閣諸島周辺に配置され、隙あらば領海へ侵入する体制をとっている。今年、1月から5月までに領海に侵入した事案は、既に10回を記録した。海上保安庁は、2016年、定員約600人の尖閣諸島専従部隊を石垣海上保安部に配置し警備にあたっているが、中国警備船の攻勢はエスカレートし一層攻撃的になっている。尖閣諸島を脅かす中国警備船団は、5000トン型を主力とし、長期航行可能な高性能な船になっている。情況は悪化の一途をたどり、不安は尽きない。

5月8日、尖閣諸島の周辺に現れた中国海警局の警備船は、日本の領海に侵入し、日本人が乗る漁船に接近し追尾する事件を起こした。さらに、翌9日にも領海に侵入、再び漁船を追尾した。海上保安庁は、漁船を守るために現場海域で対応に当たり、退去を要請した。しかし、中国警備船は、海保の要請を無視し、26時間も領海を侵犯し続けた。残念ながら、海上保安官たちは、中国警備船を排除することができなかったのだ。

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