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拉致問題で敵も味方もないはず~横田家会見


昭和52年11月に北朝鮮に拉致された横田めぐみさんの父で、今月5日に亡くなった拉致被害者家族会初代代表の横田滋さんのご遺族が9日、東京都内で記者会見しました。言葉の選び方を大切にしてこられた横田家の3人の会見冒頭発言を紹介したいと思います。

横田早紀江さん
長い闘病生活でしたけれども、本当にいつも穏やかで苦しいとか痛いとか何もそういうことを言わないで、いつも笑顔で生きていましたけど、段々衰弱して息を引き取りました。

拉致されている人たちのことをいつも思って、私たち二人三脚で本当に頑張ってきましたけども、段々年をとって、互いに体のいろんなところに不具合が出てきております。私もそうですけども、たくさんの親御さんたちがもうとっくにいらっしゃらなくなったり、まだこれからも衰弱されていかれるんじゃないかと、いつも心配しております。

どうしてもなかなか(北朝鮮の)国柄が国柄なので、本当に難しい問題だなとつくづく思わされております。
(報道各社に対し)長い間、いつも報道していただいて、めぐみたちを助けるために、献身的に私たち全員のことを被害者のことを家族のことを報道し続けていただいた長い年月に対して、心から感謝いたしております。

滋も皆さま(報道各社)と仲良くさせていただいて、いつも穏やかに暮らすことができたこと、たくさんのこちらの先生方や救う会の指導力も素晴らしかったし、何も思い残すことがないほど全身全霊打ち込んで、頑張ったと思っています。本当に安らかに、静かないい顔で天国に引き上げられましたことを私は良かったなと思っています。これまで長いご支援いただきましたこと、感謝申し上げます。ありがとうございました。

横田拓也さん

私の姉はもう承知の通り、1977年に拉致をされて、両親は当時、何の手がかりもない中で、姉のめぐみを探し続けました。しかしながら何の安否の情報を得ることなく、苦しい中を走り続けてきました。

2002年の日朝首脳会談があってから姉が北朝鮮にいるということがわかり、そして北朝鮮が罪を犯したことを、われわれ、国際社会、日本の国民、世論が知ることになり、早期にこの問題が解決するという淡い期待を持ったのも事実です。

両親は、その淡い期待を現実のものにするために戦い続けてきたわけですが、残念ながら父、滋は他界してしまいました。父は、めぐみの写真を撮ることがとても大好きでしたから、報道でもその過去の写真を使っていただくことが多いわけですが、本当によく言われるように、目の中に入れても痛くない、それほどかわいがっていた姉とですね、どれだけ会いたかっただろうと思うと、本当に悔しくて、悔しくて仕方がありません。

日朝首脳会談後に父が泣いていた姿を見て、そして今回、父が他界したことを受けて、私個人は本当に北朝鮮が憎くてなりません。許すことができない。どうしてこれほどひどい人権侵害を平気で行い続けることができるのか不思議でなりません。国際社会がもっと北朝鮮に強い制裁を科して、この問題の解決を図ることを期待したいと思います。

私たち横田家、両親を、本当にずっと長い間そばにいて、支援してくださった安倍(晋三)総理、本当に無念だとおっしゃっていただいています。私たちはこれからも安倍総理とともに、この問題解決を図っていきたいと思っております。

国会においては、与党野党の壁なく問題解決のためにもっと時間を割いて、具体的かつ迅速に行動してほしいと思いますし、マスコミの皆さま方におかれましても、イデオロギーに関係なく、この問題をわがこととして、もっと取り上げてほしいと思っています。自分の子供ならどうしなきゃいけないかということを問い続けてほしいと思っています。

父が他界したことが、とても悔やまれてなりませんが、本当に全国1400回にも及ぶ講演会や集会に行って、現地で温かく見守ってくださった方々、1340万筆以上の署名をしてくださった皆さま方、そして、(拉致)議連の先生方、救う会の先生方、とりわけ同じマンションの支援してくださった皆さま、病院の皆さま方、教会の皆さま方、本当に、改めて心からお礼申し上げます。ありがとうございます。

横田哲也さん

父は2年2カ月ほど入院していたことになります。主治医の先生、看護師さん、さまざまな医療関係者が治療してくださり、献身的にしていただきましたことを、本当にこの場をお借りして御礼申し上げたいと思います。

父が亡くなって以降、教会に遺体を運ばせていただきまして、月曜日に葬儀をしたわけでありますけども、牧師の先生には本当に大変お世話になったことをこの場で御礼申し上げたいと思います。本当にここに来るまでに父であり、ここにいるわれわれもそうですけれども、さまざまな方々にお世話になっていることが、結果として、拉致問題が解決しないまんま、父が他界するものだったことは、父であり、私たち家族であり、そして日本国民
が非常に憤りを感じ、無念を抱いていることだと思いますけども、父が果たせなかったその思い、遺志を私たちが受け継いで結果を出すこと、墓前で帰ってきたよと報告することこそが、残された者の使命だと思っております。

北朝鮮の今のリーダーの金正恩の前のリーダー、金正日が亡くなったのが2011年、その後に金正恩がリーダーとして就いたわけでありますけれども、金正恩が前の政権の悪行を否定して生まれ変わっていれば、国際社会に復帰ができ、資金や物資がどんどん流入して、国民も豊かになり、そして拉致問題が解決していれば、被害者家族なんかも幸せになれた全てがウィンウィンの関係になれたにもかかわらず、彼らはそれをやらなかった。本当に愚かなリーダーだと思います。

一番悪いのは北朝鮮であることは間違いないわけですが、拉致問題が解決しないことに対して、ジャーナリストやメディアで安倍総理は何をやっているんだというようなことをおっしゃる方もいます。北朝鮮問題が一丁目一番地で考えていたのに、何も動いていないじゃないかというような発言を、ここ2~3日のメディアを私も見て耳にしておりますけれども、安倍政権が問題なんではなくて、40年以上何もしてこなかった政治家や、「北朝鮮な
んて拉致なんかしてるはずないでしょ」と言ってきたメディアがあったから、ここまで安倍総理、安倍政権が苦しんでいるんです。

安倍総理、安倍政権は動いてやってくださっています。何もやってない方が、政権批判するのは卑怯だと思います。拉致問題に協力して、さまざまな角度で協力して動いてきた方がおっしゃるならまだわかりますが、ちょっと的を射ていない発言をするのは、これからやめてほしいと思っております。

拉致被害者家族は高齢者がいるのが事実ですし、(家族会の)飯塚(繁雄)代表もかなりのお年で健康も芳しくないわけでありますが、本当にこれ以上ですね、同じようなことが起こらないうちに、国会、政権におきましては、具体的な成果を出していただきたいと思っておりますし、本当に、この国内に敵も味方もないはずです。

日本対北朝鮮、加害者対被害者の構図しかないわけなので、本当にぜひこれからもご協力をいただきながら、解決をしていきたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

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